136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/26(日) 07:01:35.31 ID:cYGd8PLko
「何をしてるんだよ、お前は」
「答えて。何が目的なのか。これからどうするつもりなのか」
彼は小さく舌打ちした。わたしは努めて無表情を装う。
「あの男は、たぶんまだ屋敷の中にいる。銃声が聞こえれば飛んでくるぞ」
「撃つつもりはないから、安心して。何も持ってないのと一緒だよ」
だいいち、痛そうだしね。わたしが言うと彼は表情をくしゃりと歪めた。
「わたしはここで、シラユキと暮らしていくの。ずっと。ねえ、あなたの目的はなに?」
彼は黙り込んだ。視線は逸らさない。
一瞬彼は、泣き出しそうな顔をしたように見えた。たぶん錯覚だろう。だって、本当に一瞬だけだったから。
窓の外では何事もないかのように雨が降り続いている。中庭には水溜りができていた。
こんな日には、傘をさして森の中を散歩したくなる。彼のことが片付いたら、そうしよう。
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