140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/26(日) 07:05:29.03 ID:cYGd8PLko
「分かった。シラユキに会わせる」
わたしは拳銃から弾を抜いてテーブルの上に置いた。
何か反応を見せるかと思ったけれど、彼は胸を撫で下ろしただけのようだ。
「しばらく待って。あの男が帰ったあと、たぶんシラユキはこの部屋にやってくると思う」
「ああ、分かった」
さっきまでの余裕ありげな態度ではなかった。
彼は忌々しげな表情で俯く。飼い犬に手を噛まれたような表情をしていた。
とすれば、わたしは彼の飼い犬なのか。それは笑えない冗談だ。
わたしは溜め息をついて窓辺に近付いた。森の様子は今日も変わらない。
植物になりたいなあとわたしは思った。そうすればきっと誰も傷つけないで済む。
頭の奥の方が、軋むように痛んだ。
633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。