145:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/26(日) 07:14:11.71 ID:cYGd8PLko
わたしは何も言わずに食堂を抜け出した。
話を盗み聞きしようかとも思ったけど、やめた。
たぶんわたしには、聞いたって理解できない。
別に拗ねているわけでもない。
気に食わない部分だってあったけど、本心を言えば、わたしは新しい何かを知りたくなんてなかったから。
自室に戻ってから、音楽が聴きたくなった。
蓄音機。便宜上そう呼んでいるけれど、実際にはレコードプレイヤーの一種らしい。
本当は、この屋敷にだってCDなんかを再生できる環境がある。
けれどそういうものは、この屋敷で生活するうえで、できるだけ遠ざけていたかった。
でも、今は動くのが億劫だ。
枕元にポータブルCDプレイヤーが置きっぱなしになっていた。
イヤホンを耳につけて、プレイヤーを再生してみる。CDは入ったままになっていた。
流れ出したのは、スキータ・デイビスの「この世の果てまで」だった。
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