173:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/28(火) 07:16:36.52 ID:mUEC7Cyho
そういえばツキは、隠れている間に屋敷のだいたいの構造を把握したとも言っていた気がする。
それなのに、わざわざシラユキに案内させたのはなぜなんだろう。
……単なる嫌がらせという気がした。
「ツキは、どこから来たんだろう」
わたしが疑問を口にすると、シラユキは困った顔をした。近頃彼女は、こんな顔ばかりする。
「シラユキは知っているの?」
「……いえ。本人に訊ねてみるのはどうでしょう?」
「話をしたくない」
「そんなに邪険にしなくても、平気ですよ、きっと」
平気って、その言い方じゃまるで、わたしが彼を怖がっているみたいだ。
……いや、怖がっているのか。どうなんだろう。よく分からない。
ツキという人間を自分がどう消化するべきなのか、わたしにはよく分からなかった。
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