過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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183:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/29(水) 06:55:33.71 ID:wqPpjqSYo



 ツキがこの屋敷にやってきてから、何日か経った。
 
 彼は驚くほどこの屋敷の生活に馴染んだ。
 そういう適正でもあるのかと思うほどに。

 でも、屋敷で生活することに適正というものがあるのかどうか、わたしには分からなかった。

 最初は警戒していたわたしも、彼の態度があまりに柔らかいものだから、変に気疲れしてしまった。

 最初の頃こそ皮肉めいた口調でわたしに接していたが、すぐにそういった棘はなくなった。
 こっちが不思議に思うくらいだった。

 この屋敷にやってきてからツキがやったことと言えば、本を読むこと、音楽を聴くこと。
 それからわたしやシラユキと言葉を交わすことくらいだった。

 そのほかには、屋敷や森を散策する程度。
 まるで何かを探すような様子だった。




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