過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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219:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/31(金) 07:11:08.31 ID:R3N8s+H6o

「ねえ、聞いて。あなたはもう自由なの。何にも縛られる必要はない。
 本当は縛られてすらいなかったの。最初から自由なの。
 誰もあなたを縛り付けないし、誰もあなたを必要としない。何もあなたに求めない。
 だからもう苦しまなくていいの。あなたはそこに居るだけでいいの。そうすればすべて終わるから」

 何を言っているのか分からなかった。分かりたくもなかった。
 その声を聞いていることが嫌だった。足元の空気が凍てついたように冷たい。
  
「何も思い出さなくても大丈夫。気にしないで。本当に、全然、何の問題もないから」

 痛みが鋭さを増す。これはいったい、どういう冗談なんだろう。
 わたしは夢でも見ているんだろうか? 見ているとしたら、いったいいつから?

「ねえ、本当にそうなんだよ。あなたはもう、そこに居ていいんだよ」

 その諭すような優しげな声が、わたしにはとても悲しかった。




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