過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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221:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/31(金) 07:12:09.14 ID:R3N8s+H6o


 
 階段を途中まで降りたとき、話し声がするのに聞こえた。
 声だけで分かる。シラユキとツキが、玄関ホールで話をしていた。

 ツキが、何か、声を荒げている。
 シラユキはそれに対して戸惑っているようだった。

 止めに行こうと思ったけれど、今そういった会話に巻き込まれると、冷静でいられない気がした。
 わたしは身動きもとれずに、その場にとどまった。

「どうすればいいんだ?」

 何かを焦っているような声で、ツキは言った。

「俺はもう何が何だか分からない。何をどうすればいいんだ? どうすれば元に戻るんだ?
 何が原因でこんなことになったんだろう。なあ、誰のせいだ? いったいなぜこうなった?」

 シラユキは答えなかった。ただ静かに息を呑んだだけだった。

「シラユキ。シラユキ、お前はシラユキなんだよな? あの、シラユキだな?」




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