過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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233:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/01(土) 07:30:59.77 ID:/fB9gmmfo

 痛みは思っていたよりも小さかったけれど、わたしはその思考を頭からすぐに追い出した。
 そうするとすぐに気分が落ち着いてきた。自分の心臓の鼓動すら、なくなった気がした。
 いいんだ。これでいい。

 ――本当に?

 そう、本当に。
 別に深く考えることなんて何もない。
 わたしはここで、何もかも忘れて生活すればいい。もしくは、何もかもから忘れられて生活すればいい。

 それだけでいい。
 
 ――本当に?

 何度目かの疑問と、それに付き従う頭の奥の痛み。
 ひょっとしたら、わたしは納得していないのかもしれない。

 ふと、昔どこかで見たことがある、綺麗な毛並みの猫のことを思い出した。
 綺麗なクリーム色の毛並。鳶色をした真ん丸の瞳。

 あの子とはどこで会ったんだっけ? あの子はどこにいったんだっけ?

 不意に、ノックの音が聞こえた。




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