過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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249:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/02(日) 07:43:12.17 ID:lXtenV6yo



 不意に、何かの音が聞こえた。
 なんだっけ、とわたしは思う。意識は雨の音に集中していた。
 
 それは何かの意味を持った音だったはずだ。なんだっけ。なんだろう。  
 ああ、そうだ。ノックの音だ。誰かがこの部屋を訪ねてきたんだ。

 誰だろう? なんだかよく分からなくなってきた。夢の中を歩いているような気分だ。 
 すべての感触が、ふわふわしていて、実感がない。

 扉が開けられた。わたしは体を動かす気にもなれなかった。
 どうしてこんなにも動く気が湧かないんだろう。自分でも不思議なほどだ。
 何が原因で、こんなことになっているんだろう。

 何も分からなかった。たぶん分かりたくないんだろう。

「どうした?」

 声は言った。ツキだ。それはちゃんと分かる。
 わたしは何も答えなかった。




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