25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/19(日) 10:02:49.22 ID:6wN2+WcTo
部屋の中は暗かった。雨のせいで月当たりも差し込まない。
それでも暗い灯りが天井の電灯から注いでいたから、真っ暗ではない。
そのおかげでわたしは、部屋の様子をおおまかに確認することができた。
足音を忍ばせてベッドに近付くと、シラユキは既に眠っているようだった。
わたしが寝付いた後も、シラユキは自分が抱え込んださまざまな作業を続けている。
その彼女が眠っているということは、本当にもう、遅い時間なのだ。
わたしはベッドの横に膝をつき、彼女の寝顔を眺める。
いつもは落ち着いていて大人びた印象があるのに、こうしてみるとシラユキは小さな子供のようだった。
パジャマ姿になって、カチューシャを外し髪を下ろすと、彼女はわたしなんかよりずっと、お嬢様然としている。
薄いクリーム色の髪。閉じられた瞼と長い睫毛。
彼女の寝顔を見ていると、わたしはいつも後ろめたい気分になる。
中庭に迷い込んだ綺麗な小鳥を、無理に捕まえて籠に閉じ込めているような、そんな気持ちに。
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