過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
1- 20
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/19(日) 10:02:49.22 ID:6wN2+WcTo

 部屋の中は暗かった。雨のせいで月当たりも差し込まない。
 それでも暗い灯りが天井の電灯から注いでいたから、真っ暗ではない。
 そのおかげでわたしは、部屋の様子をおおまかに確認することができた。
 
 足音を忍ばせてベッドに近付くと、シラユキは既に眠っているようだった。
 わたしが寝付いた後も、シラユキは自分が抱え込んださまざまな作業を続けている。
 その彼女が眠っているということは、本当にもう、遅い時間なのだ。

 わたしはベッドの横に膝をつき、彼女の寝顔を眺める。
 いつもは落ち着いていて大人びた印象があるのに、こうしてみるとシラユキは小さな子供のようだった。

 パジャマ姿になって、カチューシャを外し髪を下ろすと、彼女はわたしなんかよりずっと、お嬢様然としている。
 薄いクリーム色の髪。閉じられた瞼と長い睫毛。
 
 彼女の寝顔を見ていると、わたしはいつも後ろめたい気分になる。
 中庭に迷い込んだ綺麗な小鳥を、無理に捕まえて籠に閉じ込めているような、そんな気持ちに。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice