過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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276:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 07:40:10.06 ID:10ecUgk1o



「猫は長い間ツキの家で飼われていた。
 わたしはその子のことが好きだったし、ツキだってその子のことが好きだった。
 でも、死んだ。四年か、五年経った頃だったと思う。
 季節は秋で、よく晴れた日だったことを覚えてる。車に轢かれて、ひどい姿だった」

 連鎖するように、記憶が次々と浮かび上がってくる。
 ツキのこと。シラユキのこと。それから自分のこと。
 わたしが何かを言いかけるより先に、シラユキは口を開いた。

「もし、わたしがその猫の死後の姿なのではないかと、あなたが考えているとしたら、それは誤りです」

 彼女はわたしの考えを、あっさりと否定する。
 何の躊躇もなさそうに、はっきりと。

 不思議と驚きはなかった。いや、不思議でもなんでもない。
 いくら死んだあとだからといって、どうして猫が人の形になったりするだろう。




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