過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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313:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/06(木) 06:35:20.63 ID:4Z+Lx22no

「分かったって、どうしたんです?」

「ツキを現実に送り返す。彼に死なれるのは困るから」

「……なぜです?」

 心底不思議そうな顔を、シラユキはした。
 なぜ、死のうとしている人間が、生きている人間のことを考えるのか。
 そういう表情だ。

「彼を巻き込んだら、わたしが気持ちよく死ねないの」

 シラユキは、答えに迷ったようだった。
 というよりは、まだ、どうにかしてわたしを説得しようとしているような態度だった。

「わたしのことについては、何も言わないで。それはわたしも、あとで考える。
 ツキのことは、急がないといけない。そうでしょう? 彼を一刻も早く、現実に戻さないといけない」

「アヤメ」

 と彼女はわたしを呼んだ。わたしは彼女が何か言うより先に答えを返す。

「協力して。ツキをどうやって助ければいいの?」




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