過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
1- 20
349:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 06:21:48.42 ID:Onzl2ZvFo

 ふと、何かが草を掻き分けるような音が聞こえた。 
 咄嗟のことに身が竦む。音は近付いてきていた。

 心臓がどくりと跳ねる。

 草の間から顔を出したそれは、大儀そうに首を振って、わたしと目を合わせた。

 わたしは最初、それをウサギかと思った。でも違う。どうしてウサギと見間違えたりしたんだろう。
 それは猫だった。白っぽい毛並みの猫。雨に濡れて小さく見える。

 どうして、ここに猫がいたりするんだろう。 
 わたしは疑問を抱きつつも、物音の正体がこの小動物だったことに安堵した。
 
 それから溜め息をついて、わたしにもまだ心臓はあったのだなと思った。
 どくどくと脈を打っている。

 体には血が流れている。わたしはちゃんと呼吸だってしている。一応生きてはいるのだ。
 わたしはまだ死んでいない。じゃあ、わたしの身体はどうなっているんだろう?
 現実における、わたしの身体は。まだ生きているんだろうか? そうでなくては、戻れはしないだろうけれど。





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice