353:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 06:25:33.50 ID:Onzl2ZvFo
やがて、猫は立ち止まった。
わたしは少し不安に思ったけれど、それを追いかける。木々の隙間から水の音が聞こえた。
猫の傍らまで歩み寄ると、そこが開けた空間になっているのが見えた。
そこにあったのは大きな泉だった。
ちょっとした池ほどの大きさの水たまり。
こんなことがあるものなんだろうか、とわたしは思った。
水面を弱々しい雨が揺らしているが、木々の葉に守られ、このあたりは雨粒がほとんど届かない。
ふと辺りを見回すと、あの猫の姿はもうここにはなかった。
いったい、なんだと言うんだろう。この泉に何かあるんだろうか。
近付いてみると、泉の水は透き通るように綺麗だった。
水底の土の色がはっきりと見える。
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