過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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365:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 07:11:34.21 ID:Z1eyICRMo

「わたしは出口を教えるために来たの。シラユキから、聞いてきた」

「そうか」

 彼はそう繰り返すだけで、わたしに助けを乞おうとはしなかった。
 出口を教えてくれとも言わなかった。ただ黙っていた。
  
 立っているのも億劫というふうに、ツキは泉の傍らの樹に背中を預けて溜め息をつく。

「ありがたい話だけど、来てくれなくてもよかった」

 彼はそう言った。わたしは一瞬、その言葉の意味がよくつかめなかった。
 
「出口の場所も、教えてくれなくていい。もういいんだ」

「なぜ?」

 彼の態度は、あまりに今朝までと違いすぎる。わたしは彼の答えを聞きたくなかった。

「疲れたんだよ。もう放っておいてくれ」

 何もかも面倒だというふうに、彼は瞼を閉じた。



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