367:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 07:14:30.06 ID:Z1eyICRMo
「お前のこととは、関係ないよ。関係ないんだ。
ただ、なんていうのかな。もう疲れたんだ。別に帰れなくたって、捕まったってかまわない。
だから、助けはいらなかったんだよ、アヤメ。お前は屋敷に戻れ。俺はここに残るから」
「そんなの……」
そんなの、わたしには関係ない。そう思った。
ツキの意思なんて関係ない。わたしはわたしの身勝手として、ツキが生きることを望んでいるだけだ。
だから、言ってしまった。
「そんなの、わたしには関係ない。ツキはちゃんと生きて」
口に出してから後悔した。わたしに、どうしてそんなことが言えるだろう。
彼はこちらを鋭く睨んで、何も言おうとはしなかった。
胸が苦しくなる。わけもわからず悲しくてしかたなかった。
「……ツキ」
懇願するような声音だった。自分でも驚くほど、頼りない声。
でも、彼は態度を変えなかった。
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