385:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/10(月) 06:02:37.92 ID:eaBLS+OVo
案の定、額縁の感触が現れたのはだいぶ経ってからだった。
わたしはそこでようやく溜め息をつく。
ここからさらに歩かなければならないのだ。
さっきからずっと、頭がズキズキと痛んでいる。
意識を手放してしまいそうなほどだ。
指先で触れる壁の感触だけが、わたしを繋ぎとめている。
真っ暗な中を、わたしは歩き続けていく。
自分の意識に入り込もうとしているような気分だった。
足元も見えない。伸ばした手の先も見えない。
それでも、歩き続けなくてはならない。
わたしは、一度振り返ってみた。でも、光は見えない。
まだ、そんなに歩いていないものだと思っていた。
ずっとまっすぐ歩いてきたのに、既に光は見えない。
後悔しても遅い。
とにかく、進んでみるしかなかった。
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