389:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 07:55:20.53 ID:CqJ5WJUIo
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何かがおかしいな、と思い始めたのは、額縁の感触がなくなって、しばらく経ってからだった。
だいぶ歩いてきて、そろそろ分かれ道に辿り着くはずだ、と思い始めた頃。
空気が奇妙な気配を纏い始めた。
ざらついた埃の感触が風に乗って肌を撫でるような、そういう気配だ。
しばらく歩くと、壁が不意になくなった。
真っ暗だから分からないけれど、多分、分かれ道に来たのだろう。
手探りで壁の角を探し、それに沿って方向を変える。
記憶に間違いがなければ、すぐに扉と出会うはずだ。
わたしは扉に体をぶつけないように、慎重に歩く。
少しすると、確かに行き止まりのような場所に辿り着いた。
取っ手の位置を探って扉を開けると、灯りが見えた。
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