396:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 08:03:50.78 ID:CqJ5WJUIo
その人がわたしの目を盗み、この部屋にやってきて、再びいなくなるのは簡単だったろう。
森は四方に開けているから、隠れるのは困難ではない。
書庫は本棚がたくさんあるから、身を隠すのは簡単だ。
疑問はいくつかある。
なぜ隠れたのか。
なぜ、隠れたにも関わらず、自分の存在を誇示するように火をつけたのか。
自分の存在を誇示するように火をつけたにも関わらず、なぜ、姿を見せないのか。
ひょっとしたらその人は、隠れたつもりもなかったのかもしれない。
わたしが再びここに来るとき、灯りを持っていなかったから、通路は真っ暗だった。
その人は、わたしと平然とすれ違い、井戸の方へと抜けて行ったのかもしれない。
まるで悪戯でもするように、簡単そうに。
633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。