過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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398:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 08:05:49.87 ID:CqJ5WJUIo

「あなた、誰?」

「見れば分かるよ」

 わたしは見たくなかった。今の言葉で、話をしたくもなくなった。
 だからわたしは目を瞑ったまま、振り返って扉の方に向かう。

 そして扉から、部屋を出ようとした。
   
 視界はきかなかったけれど、幸い彼女とはぶつからずに済んだ。
 もしこのままこの部屋を出れば、わたしは再び暗闇に舞い戻ることになる。

 でも、暗闇の方がいくらかマシだ。
 真っ暗闇の中では彼女の姿も見ることもできない。
 
 それは彼女の姿を見てしまうことよりも、いくらかマシなことに思える。
 灯りよりも、暗闇に親しみを感じる。




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