過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 06:24:15.40 ID:kVieGjdco

「……誰かいるの?」

 声は、自分でも分かるほど震えていた。辺りを見回してみても誰もいない。階段の上にも、踊り場にも。
 じゃあ、どうして、声が聞こえたりする?
 
 ……わたしはひょっとして、疲れているのかもしれない。
 この屋敷にいるのは、わたしとシラユキだけ。それはもうずっと続いてきたことだ。
 珍しく来客があった。滅多に鳴らない雷が鳴った。それだけだ。

 それだけなのに、わたしは何を怖がっているんだろう。
 ことさら強く自分に言い聞かせて、階段を降り切る。
 
 シラユキは外に繋がる扉の前に、ぼんやりと立っていた。
 かすかな冷気と、雨の匂い。

「シラユキ?」




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