400:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 08:09:08.66 ID:CqJ5WJUIo
「落ち着いて、話をしてみない?」
返事をしたらいけない。そう思った。
でも、腕を掴まれてしまった。目を瞑りながら、振り払って逃げ切るのも現実的じゃない。
第一、屋敷だろうと、森だろうと、彼女がわたしを追い切れないとは思えなかった。
「ふたりきりになっちゃったけど……お茶でも飲んでいかない?」
その言葉に、諦めのような気持ちが、自分の中で湧き始めるのを感じた。
諦めろ。わたしはここでこの人と話すしかないのだ。
そして、上手に話すことができれば、わたしはわたしのままで居続けられる。
「目を開けたら?」
「……ごめんなさい」
「……分かった。手を引くから、転ばないように椅子に座ってくれる? 床にはいろいろ落ちてるから、危ないの。分かるでしょう?」
わたしは彼女に誘導され、椅子に腰かけた。
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