過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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449:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/14(金) 06:44:40.09 ID:DzmBzCz9o



 ツキと初めて会った時のことを、わたしは思い出した。
 わたしが走ることを拒否して、でも結局何も変えられず、ふたたび走り出した頃。

 ある雨の日の夕方、わたしは家の近くの児童公園に、ひとり傘をさして、じっと立っていた。
 公園にわたし以外の子供の姿はなかった。

 そこに偶然通りかかったらしい男の子が、わたしに声を掛けたのだ。

 わたしは彼のことを知っていた。
 近所の家に住む、ひとつ年上の男の子。ちょっとぶっきらぼうで、少し怖かったのを覚えている。

「なにやってんだ?」

 彼はそんなふうにわたしに話しかけた。わたしは答えに困った。

「なにも」

 やっとのことで答えると、彼はどうでもよさそうに何度か頷いた。

「お前、名前は?」

 わたしは自分の名を名乗り、それから彼の名を訊ねた。
 ツキ、と彼は名乗った。




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