457:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 06:58:21.61 ID:x3h76RAXo
◇
丘の下の街並みは、実際に歩いてみると、見下ろしていたときよりも、ずっと大きく、広く思えた。
石畳の通りを歩きながら、雨の降り続く街を歩く。
人の気配は、不思議としなかった。ささやき声もなかった。
隣を歩くシラユキは、特に不思議そうな顔もしない。
この街はずっとこうなのかもしれない。
「こんなふうに堂々と歩いていて、平気?」
わたしが訊ねると、シラユキは一拍おいて、静かに頷いた。
「まだ平気です」
と彼女は言った。それがどういう意味なのか、わたしにはよく分からなかった。
『まだ』ってどういうことだろう?
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