466:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:06:04.56 ID:x3h76RAXo
男は首をかしげた。心底不思議そうな顔。
「ツキ」
とわたしはもう一度言った。
ツキはわたしから目を逸らした。シラユキも何も言ってくれなかった。
ざわめきは収まらない。段々と人の話し声が大きくなっていく。
それなのに、誰も彼もがわたしの言葉を聞くために耳をすませている気がする。
「……この男が、どうかなさいましたか」
冷たい声で、彼はわたしに言った。
わたしの心臓は嫌なふうに昂ぶった。
わたしが態度をひとつ間違えるだけで、どうなるか分からない。そう思った。
覚悟を決めて、言葉にしようとした。ツキを助けに来た、と。
でも、言ってしまっていいのだろうか。このタイミングで? それは最悪だ。
そうなれば、わたしもツキも、どうなってしまうか分からない。
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