過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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467:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:07:49.58 ID:x3h76RAXo

 わたしは縋るような気持ちでシラユキを見た。でも、彼女は何も言わない。
 段々と焦ってきて、わたしは彼女の服を何度か引っ張った。

 それでようやく、彼女はわたしの方を見てくれた。
 でも、何も言ってくれなかった。どうすればいいんだろう。

「ふむ」

 と村長は言った。彼はしばらくわたしの方を見つめた後、後ろを振り向いて誰かに合図をしたようだった。

「珍客がおられるようですが、まあ予定通り執り行いましょう。仕事ですからね」

 村長が言うのと同時に、檀上に何者かが現れた。
 巨躯の大男だ。仮面で顔を覆い、黒い衣服に身を包んでいる。
 
 手には巨大な剣のような、斧のような何かを抱えている。
 刃は鈍色に輝いていた。
 
 人々の視線はわたしから逸れて壇上へ向かう。
 わたしは息を呑んだ。
 
 彼らはツキを殺そうとしているのだ、と今更のように思う。





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