過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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472:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:12:37.07 ID:x3h76RAXo

 ざわめきの中で、わたしは段々と自分が何をしているのかも分からなくなっていく。
 いったいここで何をしていたのだっけ?
 ただ人々の視線がわたしに突き刺さるようで……耐え難く、苦痛だった。

「そこの御嬢さんは――」

 不意に、声が聞こえた。

「どうやら俺の望みを理解してくれているらしい」

 ざわめきはふたたび、静寂へと変わる。わたしの呼吸は尚も乱れていた。
 
 檀上に立つ村長は、視線を巡らせ、やがてツキに視線を向けた。

「今喋ったのは、貴方ですか?」

 ツキは村長の顔を見つめ、唇を釣り上げた。
 質問には答えずに、彼は言う。

「俺は死にたがりですから、首を斬られるのに抵抗はないんですがね。
 斬るのがこの野暮ったい男じゃ――」
 
 と、彼は顎で仮面の男を示す。

「――なんとも救われない話です。どうせ殺されるなら、他の方法か、他の相手がいいですね」

「残念ながら、これは決まりです。役割は決まっているのです。貴方に選ぶ権利はない。」




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