486:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/16(日) 07:40:29.50 ID:2Yrmim71o
「生き長らえるつもりがないなら、俺が生きるか死ぬかだって些細なことだ。
いまさら俺が生き残るかどうかなんて気にしない。そうだろ。
だってお前は、俺のことなんてどうでもいいと思ったからこそ、死のうとしたんだから。
後のことなんてどうなったってかまわないって思ったから、ここに来たんだろう。
だったら、お前は俺を殺したってかまわないはずだよ。俺が死ぬのは今じゃない。お前が死んだあとのことだ」
「……言っている意味が、分からないんだけど」
「分からなくていいよ」
わたしは少しの間押し黙ってから、「どうでもよくなんかない」と言った。
「嘘だね」
「嘘じゃない」
「じゃあなぜ死のうとした?」
「それは……」
口籠るわたしを、ツキは一瞥する。
「それとこれとは、関係ないでしょう?」
「冗談だろう?」
雨音が続いている。地面の感触がふわふわとしている気がする。
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