51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/21(火) 07:15:39.54 ID:0/iJLpbGo
◇
シラユキが仕事を始めると、わたしは暇になってしまった。
本当は彼女のことを追いかけまわして一緒にいたい気持ちもあるけれど、からかわれるのが目に見えている。
かといって、今は本を読む気にもなれなかった。
自分の部屋でじっとしているのも嫌だった。見知ったはずの屋敷が、変に余所余所しく感じられる。
今にも廊下の角から、「何か」が出てきそうな気がした。
部屋で休んでいると、ノックの音が聞こえて、「誰か」が現れるような気が。
たぶん、気にしすぎているのだろうけど。でも、さっきの声、あれは……。
たしかに聞こえた気がしたのだ。わたしが知るはずもない男の低い声が、聞こえた気がした。
散歩にでも行こうかと思ったけれど、シラユキにあんなことを言われたばかりで、外には出るべきではないだろう。
仕方なく、わたしは書庫に向かった。
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