過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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524:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/19(水) 07:58:34.95 ID:mRUgB+/xo

 でも、そういうことではないのだ。
 そういうこととは無関係に、わたしの思考は、まだ正直じゃない。

 だからこんなに混乱しているんだろう。

「うちの両親は、お前が死んだって悲しむよ。そう思うなら、死なないでくれよ。俺だって、悲しいよ」

「……うん」

 不意に腕に痛みが走った。ツキがわたしの腕を握っていた手に力を込めた。
 ものすごく強い力というわけではない。
 ものすごく痛いというわけではない。
 力を込めたといっても、ささやかなものだ。
 
「ごめんね」

 でも、そうされるのは痛かった。
 痛みを訴えようかとも思った。「痛いよ」と言おうかとも思った。
 どうしてかはわからないけれど、たったそれだけの言葉が、すごく身勝手なものに感じた。




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