過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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530:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/20(木) 03:05:45.67 ID:WU9ARoQ2o

 何か悪い冗談みたいだった。
 実は夢でも見ているのかもしれない。
 
 目を覚ましたら、わたしはごく当たり前にシラユキと屋敷で生活しているのかもしれない。
 
 ツキの存在も、この世界のルールも、ぜんぶがぜんぶ夢なんじゃないか。
 その方がよっぽど理屈が合う気がした。

 雨は降り続いている。
 ツキはずぶ濡れのままわたしの腕を掴んでいた。

 景色にはまったく変化がない。どこまでいっても、ずっと同じような風景。
 焼き増しされたように同じだ。

 ツキに訊きたいことがあったような気がした。
 
 下界の住人に見つかる前までは、わたしが死んでも生きていくと言っていた。
 森の中で会ったときは、もうどうでもいいと言っていた。
 街の中で会ったときは、わたしが死んだら自分も死ぬ、と言った。お前が俺の都合を考えないなら、俺もお前の都合は考えない、と。

 でも、さっきは、本当は無意味だと分かっている、と言った。

 よくわからない。
 ツキ自身にもよく分かっていないのかもしれない。




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