535:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/20(木) 03:10:36.33 ID:WU9ARoQ2o
わたしはまた泣き出したい気持ちになる。
「……どうしてそんなに、平然としてるの?」
「平然としてないから、ここにいるんだ」
「そうじゃなくて……もっとわたしを、責めたり、したいんじゃないの?」
「それは、まあ、そうかもな。どんな理由があったって、置いていかれる方からしたら冗談じゃないって思うよ」
言葉を選ぶように慎重な様子で、彼は言った。
「でも、そんなのはこっちの都合であって、結局お前に何もできなかったのは俺も一緒だから。
だからそんなに簡単に責めたりはできない。お前のことを何にも知らない赤の他人だったら、責めてたかもしれないけど。
それに、ここでお前のことを責めたりしたら、それこそ死んじまいそうだ」
結局、わたしは抵抗できていなかったのだな、と思う。
ツキを苦しめることに対して後ろめたさが沸くということは、責めてほしいと思うということは、結局そういうことだ。
ツキが責めてくれれば、わたしは迷わずに、後ろめたさもなく、いなくなれるから。
後ろめたさが沸くということは、結局、ツキのことをどうでもいいと思えなかったということだ。
ツキがわたしのせいで悲しむのはつらい。
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