過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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606:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 07:15:01.41 ID:tPA7g4lio



 曖昧な意識のまま、わたしはふと気付けば、暗闇の中にいた。

 なにひとつ聞こえず、なにひとつ見えない。そんな暗闇の中だ。
 闇の中では、感覚すらなかった。
 
 自分自身の身体がこの空間にあるということが疑わしいくらいだった。
 何かが視界を覆っている。
 
 そのせいで、わたしの瞳は光をとらえられない。
 なんだろう。何が邪魔しているんだろう。

 不意に、激しい音が聞こえる。

 雷鳴?
 そう、雷鳴だ。

 その音が合図だったかのように、わたしの身体の感覚が蘇っていく。
 蘇るというよりも、むしろ、押し寄せるように、意識に感覚が流れ込んできた。

 しばらくの間、わたしの意識はその奔流に支配されていた。




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