61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/21(火) 07:30:09.24 ID:0/iJLpbGo
……落ち着け、と、わたしは思う。
やっぱり書庫から持ち出していなかった。きっとそれだけのことだ。
その本が、たまたまわたしが取った本の近くにあって、たまたま落ちてしまっただけだ。
そう、全部偶然。ありえないことじゃない。
……本当に?
そんなことが、本当にあるのか?
わたしは持っていた本を近くの棚の空いたスペースに突っ込んだ。
一刻も早く書庫を抜け出したかった。
地下室の出口に向かい、階段をのぼる。扉を開けると視界が少し眩む。
息を切らして廊下を駆け回った。一階を探し終えるとそのまま階段を昇って二階に向かう。
シラユキは二階の廊下を掃除していた。彼女はこちらを見て驚いた顔になる。
彼女が何か言う前に、わたしは彼女に抱きついた。走るのをやめると、とたんに体が震えだした。
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