過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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612:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 07:23:30.74 ID:tPA7g4lio



 生き延びることができたのは、ほとんど奇跡のようなものだった。

 言い換えれば、偶然の巡り合わせだ。同じことをやったとしても、二度目はないだろう。

 立っているだけでも風に吹き飛ばされそうな激しい嵐の日に、氾濫してもおかしくない河川に近づいた。
 水流に身を投げ、その中でしばらく意識を失っていた。

 普通なら死んでいた。いや、まあ、死ぬだろうと思って身を投げたのだから、当たり前なのだけれど。

 川に身を投げる前と後の記憶は混濁していて、前後の事情をわたしは上手く把握できなかった。

 あの出来事から数日が経った今でも、思い出せていない。
 だからわたしは、後の状況から推測や想像を交えて、自分の記憶を補完した。



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