618:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 07:31:21.49 ID:tPA7g4lio
◇
目が覚めてから数日間、様子を見るためにと入院させられていた。
ことがことだったので、担当の医師はわたしに「よければカウンセラーを紹介しますが」と言ってきた。
わたしはそれを断った。
嵐は去っていったが、入院中はずっと雨が降っていた。そういう時期なのだ。
窓の外で降り続ける雨をじっと眺めていると、奇妙な気分になった。
わたしは別に「あちら」でのことを忘れたわけではない。
でも、それを徐々に忘れていってしまうのだろうと、なんとなく感じた。
気になったのは、わたしたちが去った後、彼女がどうなったのかということ。
でも、それは今となっては確認のしようがないことだった。
不思議と寂しくはなかった。
なぜだろう? 彼女がすぐ傍にいるような気がするのだ。
それは、ただの錯覚なのかもしれないけど。
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