62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/21(火) 07:31:06.57 ID:0/iJLpbGo
わたしはしばらく彼女が何を訊いても何も言えなかった。ただ怖かった。
「何があったんですか?」
シラユキは慌てた様子で何度も訊ねた。わたしはうまく答えることができない。
窓の外の雨音がいつもより緩やかなテンポに聞こえた。呼吸を整えるのに時間がかかる。
わたしは振り絞るような気持ちで口を開いた。
「シラユキ……」
唇が、うまく動かなかった。
「この屋敷に、わたしたち以外の誰かがいるの?」
「……え?」
シラユキの表情が凍る。
わたしには、もうそうとしか思えなかった。
もうこれを、単なる錯覚だとか、偶然だとか、そういうふうに考えることはできない。
633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。