620:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/25(火) 07:33:29.20 ID:tPA7g4lio
翌朝、案の定、雨が降っていたけれど、わたしはツキの家まで傘を差して歩いていった。
彼がわたしを当然のような顔で出迎えたので、わたしはちょっとおもしろくない気分になった。
しばらくのあいだ、何をするわけでもなく、二人で話をした。
話の内容はよく思い出せない。
何か大事なことだったような気もするし、どうでもいいことだったような気もする。
抽象的な話だった気もするし、具体的な話だった気もする。
いずれにしても忘れてしまった。
話すことがなくなると、「雨が止んだら」と彼は思い出したように言った。
「雨が止んだら、出掛けよう」
そうだね、とわたしは答えた。窓の外では静かな雨が降り続いていた。
「雨が止んだなら」
何の気もなく返事をしてから、こそばゆいような、くすぐったいよな気持ちになった。
彼が、昨日突然電話してきた理由も、今朝からずっと難しい顔をしている理由も、今の言葉で分かった気がした。
雨が止んでも傍にいるのだと、彼は示そうとしているのだ。
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