過去ログ - モバP「暑いからアイスでも買いに行こうかな」
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1: ◆69WNXqAAtA[saga sage]
2013/05/18(土) 14:50:11.14 ID:AjPXAEe60

この暑さは、例年並みとはとても言えない。

ひとり暮らしの1LDKのエアコンの直下で、俺は涼んでいた。
仕事もない、夏の全盛期と言える今、外に出るのは得策ではない。
そう判断した俺は、何もすることなくリモコンで室内温度だけを下げた。

テレビをつけても、真昼から目を奪うような番組は放映されていない。
じりじりと、生暖かい風が立て付けの悪い窓から入ってくる。
いい加減修理するべきだろうが、日々が忙しいのだ。

プロデューサー業に手をのばし、まだ半人前にもなっていない。
事務仕事で失敗だってする。怒られることだってある。
それでも、この仕事に楽しみすら覚えている。

ああ、遮光カーテンが欲しい。薄いレースでは、日光を防ぎきれない。

足の裏に汗をかきながら立ち上がり、冷蔵庫の中を、探してみる。
…ひとり暮らしの男性の冷蔵庫に、気の利いたものはなかった。
そこにあるのはせいぜい、冷凍食品か、肴と酒ぐらいだった。

冷凍庫に作り置きしていた大量の氷も、いつの間にか食べ尽くしていたらしい。

その底の方では、いつ購入したかも定かではない冷凍食品が冷えていた。
このまま、この暑い夏を乗り切ることは出来ないだろう。
思い立った俺は、服を着替え、思った。

暑いからアイスでも買いに行こうかな、と。



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2: ◆69WNXqAAtA[saga sage]
2013/05/18(土) 14:50:46.99 ID:AjPXAEe60

とりあえず、家の調味料を確認しておいた。

塩に胡椒に砂糖。味覇だったり、味の素。
以前奮発して買ってみた、オイスターソースもあった。
以下略



3: ◆69WNXqAAtA[saga sage]
2013/05/18(土) 14:51:13.37 ID:AjPXAEe60

俺は本当に何となく、電車に乗り、遠くまで足を伸ばした。

特に理由があるわけではなかった。休日に堕落したくなかったから。
もしくは…何かを期待していたから、とも言えるだろうか。
以下略



4: ◆69WNXqAAtA[saga sage]
2013/05/18(土) 14:51:57.64 ID:AjPXAEe60

現在地である大型ショッピングモールは、数ヶ月前にオープンした。

1階から6階まで吹き抜けである、開放的なデザイン。
流行に沿うように年代別のセレクトショップ、雑貨屋もある。
以下略



5: ◆69WNXqAAtA[saga sage]
2013/05/18(土) 14:52:30.58 ID:AjPXAEe60

「あ。やっぱり、プロデューサーさんでしたか。こんにちは」

今日は運のいい日なのだろうか。こんなところでちひろさんと会うなんて。
わざわざ足をのばしてよかった、と内心でそう思っていた。
以下略



6: ◆69WNXqAAtA[saga sage]
2013/05/18(土) 14:52:58.26 ID:AjPXAEe60

『それなりには、ですが。4階には、未だに立ち入れません』

苦笑いをしながら、正直に告げた。あそこは未開の地だ。
今運ばれてきたアイスコーヒーを口に含み、改めて唇を潤した。
以下略



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