過去ログ - 【マジェプリ】もしもイズルが一週間いなかったら
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710: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/15(月) 22:42:45.19 ID:U3SzJWnp0
AM1:00

レイカの酒に付き合って、愚痴を零していたら日を跨いでしまっていた。
ぐっすりと眠るレイカを尻目に彼女の部屋を出る。
慌てて戻ることにしたものの、身体がふらふらしてうまく帰れない。
……何やってるんだか、私。

「あれ、艦長?」

そのとき、廊下で偶然にもイズルに出くわす。
どうやら眠れないらしい。さもなければ、翌日に作戦が控えている中で散歩なんてしないだろう。
何にせよ、申し訳ないがありがたいタイミングだ。
酒でうまく動けない、とは言わずに少し気分が悪いので部屋まで送ってくれるように頼んだ。
いつも通りの優しさで、彼は二つ返事で了解してくれた。

「ええと、いつもお疲れ様です。僕らのために…」

私の身体をおんぶしながら、彼はそんなことを言った。
…あのひよっこがずいぶんなことを言うようになったものだ、と思う。
しかしながら、それを言う気持ちにもならない。
彼の背中は、それぐらいには大きくなっていた。
ふ、と背中の中でまたこっそりと笑みを零した。

「――それじゃ。おやすみなさい、艦長」

気付けば、部屋に戻っていた。
彼が頼りになりそうな笑顔で去っていくように見えたのは、私が酒でだらしなくなっているからだろうか。

それとも――

そこまで考えて、私の思考は眠りに沈む。
ふと、目についたイズルの背中をじっと見届ける。
あぁ、きっと親鳥はこんな気持ちで見送るのだろうな。
今は酒の力。でも、きっといつかは真剣に。
そうして、私はまた、明日も彼らの『教官』になるのだ。


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