過去ログ - 【マジェプリ】もしもイズルが一週間いなかったら
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756: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/18(木) 21:01:19.07 ID:Pl2E6QiQ0
そして――

「う……」

「イズル!」

私の願いが届いたのか、時が来たのか。
彼が小さく呻いて、その瞳を薄く開いた。慌てて、私は立ち上がって彼の顔を覗き込む。
彼の目は焦点があっていないけれど、必死に何かを探そうとしているように見えた。
その瞳の先に誰かを求めるように、私の手を握り返した。

何を求めているの、と私が疑問を抱く前に。
残酷に、答えはやってきた。

「テオー、リアさん……僕は、ヒーロー、に……」

「――っ!」

一気に、私の手から体温がなくなるような感覚がした。
彼の手を握る力が失われてしまう。
私と彼とを繋ぐ橋は、一方的に断たれた。
彼の手が、求める先を失い、ぶらんとだらしなくシーツに落ちた。
それを謝るよりも先に、彼はまた眠ってしまう。


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