過去ログ - 【マジェプリ】もしもイズルが一週間いなかったら
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763: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2013/07/18(木) 21:10:56.28 ID:Pl2E6QiQ0
歩きから、途中で全力の走りに切り替えて、私は長い長い通路を駆けていた。
待ち遠しい。すぐにでもこれを渡して、彼の驚く顔が見たい。笑顔が見たい。
私の顔が今どうなっているのかは分からない。
あいにくと道中では誰にも会わなかったこともあって、予想がつかない。
でも、たぶん、普段らしくもなく、必死な表情でいたに違いない。

「……っ」

ようやく、辿り着いた。
一度、乱れた呼吸を取り戻す。
だらしない恰好では会いたくない。それじゃ、ちょっと決まらない。

呼吸が戻る。それとは別に一度深呼吸をした。何だか、緊張していた。
手の中の品をもう一度見る。大丈夫、一つも欠けていない。
最後に、自分の様子を近くのガラスのドアで確認する。
大丈夫、だらしなくなっていない。ちゃんと、笑顔も出せる。

改めて、私は病室の前に立つ。
少し震える手で、二回ノックした。

「はい?」

ほどなくして、彼の声が返ってくる。
あぁ、よかった。彼は、この先にいる。

私はそっと、ドアに手を添える。スキャンを経て、ドアは開いた。
私はそっと、一歩踏み出す。完全に入室すると、ドアが閉まった。

そして、あの声がする。私を迎えてくれる、大切な声。

「――お帰り、ケイ」

「――ええ、ただいま」


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