過去ログ - 少女不満足
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28:お団子 ◆bZ4I4TB4eY
2013/05/28(火) 02:33:03.55 ID:sjTsxvqj0

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僕達が向かったのは旅館だった、

和式の畳十二畳分くらいだったか、結構な広間だった、誘が言うには温泉の効能がいいらしいが、

それもまた、僕にとっては余りピンとこない、彼女も年頃という事だろうか、

「…………一応、先生の事も思ってこの旅館を選んだんですよ」

なんだか経費で落とすには勿体ない、申し訳ないと思う、

これもまた、誘の優秀さも合わさっているのだと考えるとさらに。

しかし来てしまったのなら十二分に堪能しなければ損というものだ。

そういう切り替えの早さも、僕の自慢の一つだった。

「先生、もう日も暮れていますし、今日の取材は……」

気が付くともう五時を回っている、元々一日目は移動日として取っておいたので何ら問題は無い、その事を誘に伝えると、

まるで少女の様に笑みを浮かべる。

「ああ!それは良かったです、

思ったよりも時間が掛かってしまってどうしようかと思っていたところでした……まだ夕食には時間があるみたいですし、

温泉に行きましょう、温泉に!」

彼女としてもとても楽しみだったのだろう、

その目は今までにないくらいに活き活きとしていた、温泉……何時振りだろうか、

なんだか感傷に浸ってばかりのような気がする、この感傷は、温泉で洗い流す事としよう。

「いや、温泉は、久しぶりですね……先生?」

ああ、そうだね、と返すと何処か少し赤みを帯びた頬で浮かべた笑顔を彼女は僕に向けた、

しかし僕はそれに気付けなかった。

しかし今回温泉へと向かう準備が早かったのは僕であり、そういう所でも男性と女性の準備の違いが出るのか、

と勘違いしていた所で、

誘は気まずそうに、僕に水着を差し出した、無論、男性用のである。


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