過去ログ - やえ「おーい、さびしんぼう」
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/21(火) 16:21:36.25 ID:1Ac64vbSo
 ◇

「それじゃ、お疲れ様でしたー!」
「おつかれー。いやー、ひと仕事終えたあとのビール、最高だな!」
「ですよね!」

なんとか大掃除を無事に終えた二人は、馴染みの居酒屋で一杯ひっかけていた。
お互いいい人もいないので、週末には二人で飲み歩くのが習慣になっている。
この店もあちこち飲み歩いているうちに開拓した店のうちの一つだ。
女二人で入っても誰も気にしない気楽な雰囲気が気に入って、月に二、三回は来る常連になってしまっている。
塩の利いた枝豆に舌鼓を打ちながら、ごくごくごくとキンキンに冷えたビールを喉に通す。
うむ、これ以上無いような幸せの瞬間である。

「あー、幸せだ……生き返る……」
「幸せ……ですか。うん、楽しいですよね。でも……」

いつもの調子で酒に浸っていたやえに対して、初瀬はどこか浮かない顔だ。
どこか遠くを見るような目をしながら、ぐい、とビールをあおっている。
ぷはぁ、と息を吐きながら、初瀬は酔いに任せて己の心情を吐き出し始めた。

「私って今、幸せなのかなって、最近そんなことよく思うんですよ」

やえは、ん、と引っかかるものを覚えた。
初瀬がこんなふうに悩みをこぼすのは珍しかったからだ。
仕事上の愚痴だとか、いい男が見つからないとか、そこで吐き出して終わりになるような話をすることは沢山あった。
けれど、幸せについて、だとか、そんな抽象的でこっ恥ずかしいことを二人で話した記憶は、殆どなかった。


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