過去ログ - やえ「おーい、さびしんぼう」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/21(火) 16:23:07.84 ID:1Ac64vbSo
ますます色んな考えがグルグルグルグルと回り続けて、ようやく出た一言は、

「お前……いったい誰だ?」
「ちゃちゃ……あっ。……コホン。さびしんぼうじゃ」
「さびしんぼう?」
「うん。そうじゃのう、やえちゃんに分かりやすく言うと……幽霊みたいなもんじゃ」
「幽霊? お前が? いやいやいや、そんな馬鹿な……
 ほらほら、いったいどこから入ったのか知らんがさっさと出ていけ。今回は許してやるがこじれるようなら警察呼ぶぞ」
「もう一度言うけど、さびしんぼうは幽霊みたいなもんなんじゃ! だからやえちゃん以外には見えんはずじゃ。
 警察なんて呼んだら、やえちゃんがキ◯ガイ扱いされるぞ。ほら、こっち来てみい」

さびしんぼうを名乗った少女は、やえを洗面台のところに来るよう言った。
やえとさびしんぼう、二人並んで鏡の前に立ってみると、

「……映って、ない?」

鏡に映っているのは、やえただ一人。さびしんぼうの姿は、鏡の中には影も形もなかった。
しかしやえの目には、さびしんぼうは確かに映っている。にこにこと微笑みながら、やえのほうを見つめている。

「まさか……本当に、幽霊?」
「だからさっきからそう言っとるじゃろ」
「なんだ……私は疲れてるのか……」
「そうじゃ」
「ん?」
「やえちゃんは、疲れとるんじゃ……だからさびしんぼうは、やえちゃんのところに来たんじゃ」

さびしんぼうはやえのほうをじっと見つめながら、にっこりと笑った。

「さびしんぼうが、やえちゃんをハッピーにしてあげるからの」

これが、やえとさびしんぼうの、最初の出会いだった。


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