過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sagesaga]
2013/05/22(水) 00:10:02.32 ID:GshVNNRdo
木製のカップに、火にかけられていた鍋から飲み物を注いで魔法使いに手渡す。
次いで自分の分も入れると、ようやく、『魔法使い』と『勇者』は切り株の上に肩を寄せ合う。
二人で座る分のスペースは無いかとも思ったが、意外にも、座ってみれば気にならなかった。

魔法使い「……お湯じゃん、これ」

飲み物を一口すすった魔法使いが、僅かに口をとがらせる。
香りなどなく、塩味も甘味もあるはずもない『湯』だった。
それでも暖まるのか、くちばしのように押し出した唇で、ふぅふぅと冷ましながら啜り込んだ。

勇者「茶葉なんてもう、ないに決まってるだろ」

魔法使い「ま、許したげる。……でも……侘しいわねぇ。末期のお茶さえ飲めやしないなんて」

勇者「またお前は、そういう事を……」

魔法使い「ああ、懐かしい。粗挽きの胡椒たっぷりで焼いたイノシシの肉。砂糖たっぷりのお茶」

勇者「つい数週間前だろ?」

魔法使い「別の日はお魚の串焼きに、削った岩塩振ってさ。あの時は確か、お酒もあったわよね」

勇者「……ワインとは合わなかったな」

魔法使い「それにさ。……港町で食べた、たっぷりの魚介と一緒に炒めたご飯。おいしかったわ」

勇者「あれは美味かったな。その後の町で食べた、クルミを混ぜて焼いたパンも覚えてるよ」

魔法使い「思わず、何本も食べちゃったもんねぇ。……僧侶が喉に詰まらせてたわ」

勇者「あったあった」


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