過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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142: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/30(木) 23:35:04.55 ID:rM6FpdA8o

騎士「領主殿、ただいま参着いたしました」

さほど広くも無い執務室、その中心にある机に向かい、書面に羽ペンを走らせる肥満体の男がいた。
芋虫のように太った指に喰い込ませるように指輪をはめ、たるんだ肉で指輪さえも隠れている。
強烈な赤色のローブからは毛むくじゃらの胸板が覗けて、その顔は、脂肪と筋肉が溶け合ったようにだらしなく重力に緩んでいる。
『騎士物語』の悪代官をそのまま演じてからかっているのかと疑うような、いかにもな風貌をしていた。

領主「うむ。話は聞いているぞ。その若さで、中々の腕前だそうな」

騎士「いえ、滅相もございません。……父祖から受け継いだものを繰り返しているだけ」

領主「遜るな。……そうでなければ、こんな枯れた辺境などに呼ぶものか」

騎士「…………」

すだれのように緩んだ肉の隙間から、妙に鋭い眼が騎士を刺す。

領主「まぁ、それはいい。この度召喚したのは、他でもない。私の身辺警護役を務めてもらいたいのだ」

騎士「御意のままに。……ですが、何か身辺に懸念でも?」

領主「ふん、無い方がおかしいわ。こんな身分をやっていれば、心当たりの十か二十は出てくるものだ」

騎士「……でしょうね」

領主「まぁ、ともかくだ。明日から、わしの護衛を勤めよ、今日はもう下がって休め」

騎士「拝命いたしました。それでは、失礼いたします」


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