過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/01(土) 23:50:37.34 ID:+j7WNh9Vo
その家に住んでから、罰が当たりそうなほどに穏やかな時を過ごした。
淫魔はパンを焼く事を覚えて、騎士も、市場での荷運びの仕事にありつけた。
朝に出て行き夕方に帰り、共に暖かい夕餉を食し、なんでもないような会話を楽しんだ。
仲睦まじい夫婦の姿をなぞって、ありきたりな幸福を、分かち合った。
その一方で、騎士は、少しずつ体力を落としてきた。
最初の発作からはしばらく無かったが、再びある夜発作が起きた。
どんどん感覚が短くなり、今では三日に一度、血塊に溺れて眼を覚ます有様だ。
淫魔も、隠してはいるようだが明らかに様子がおかしい。
ふっと意識を失って倒れる事が多くなり、休養が、まるで功を奏していないように思えた。
そんなある日の事、彼女が隠していた部位に――――異変が起こっていた。
眠っていた彼女の様子を見に行った時、布団を蹴飛ばしていたのを見つけた。
寝巻の裾からはみ出ていた尾が、騎士の持っていた蝋燭に照らし出された時だ。
その尾は、初めに見た時とは全く違い、先端から根元まで黒ずみ、くまなくひび割れていた。
白いベッドに散らばる黒いカサブタのような物質は、恐らく、剥がれ落ちた尾の表皮だ。
騎士「えっ……!?」
彼女の体、その他の部分に目を移すと……小さな足の爪にも、同様の黒ずみがある。
髪をかき分けて角の根元を探すと、そこにも。
寝巻を少しだけめくり上げて背中を見ると、どす黒いカサブタがポツポツとある。
それは…………『彼女』そのものが、風化し、朽ち始めてしまっているように見えた。
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