過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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◆1UOAiS.xYWtC
[saga]
2013/06/01(土) 23:54:36.23 ID:+j7WNh9Vo
彼女の身体を覆い隠していた毛布を取り去る。
一枚の薄衣の中で、彼女の体からは温もりが消えかけていた。
淫魔「覚えて、ます?」
騎士「ああ。覚えているよ」
それだけのやり取りで、全てが通じた。
思い起こすのは一年と半前、ある町で聞いた誓いの詞。
淫魔「健やかなる時も、病める、時も」
騎士「……死が二人を分かつまで」
再び、唇を求める。
かさかさに乾いてひび割れた唇は、水音さえも奏でてはくれない。
唾液さえも、もはや滲み出さなくなってしまっていた。
彼女の腕が震えながら持ち上がり、騎士の頬に触れる。
騎士の手も、彼女の肌に触れる。
暗闇の中で暖め合い、『その時』を迎えるために、空白を埋めるように、互いの体を触れた。
互いの体が、微かに汗を滲ませた頃。
騎士は、最後の願いとともに、彼女へ別れを告げた。
――――もう、私は何もいらない。
――――私の存在の全てを、この世界からなくそう。
――――でも、一つだけ、願う事を許してもらえるのなら――――
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