過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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209: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/04(火) 03:27:35.43 ID:E/Gr+tAqo
更に、一ヶ月。

夏の暑い盛りを越えた昼下がり、廃教会の裏手にある小さな墓地に、淫魔はいた。
苔生し、欠けた墓石はもはや銘すら読み取れない。
数にして十基足らずのそれらは、加えて伸び放題の草で覆い隠されていた。

淫魔「……ったく、『人間』ってヤツぁよ」

ぶつくさ文句を言いながら、彼女は雑草を一本一本、手で毟り取り続ける。
当然ながら鎌の類などないため、地道な手作業だ。
既に三基ほどの墓石の周りはすっきりとして、午後の日差しを照り返していた。

淫魔「ま、そのうち掃除してやるからさ。今は日向ぼっこでもしときな」

しゃがみ込んだまま愛おしむように置き去りの墓石へ語りかけ、額の汗を拭って再び作業に戻ること、数分。

少女「淫魔さーん! 見せかけビッチのお姉さーーん!!」

淫魔「……返事、したくねェ」

少女の呼ぶ声が、礼拝堂の中から、裏手まで……割れたステンドグラスを越えて、聞こえてきた。

少女「あれー? いないんですかー? おーーい! 清純ぶりっ子くそ人外ビッチさーーん!」

淫魔「単なる悪口じゃねェかっ!」

少女「やっぱりいましたね! お外ですかー? 今行きます!」


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